シュテファン・バルケンホールと石田徹也 展
フリーズもズーも、ロンドンギャラリーもまだまだ続きを下書き中ですが、今日は興味深い企画展を2つ見たので、是非書きたくなりました。
1つは、清澄のコヤマトミオでやっているシュテファン・バルケンホール展です。
以前、オペラシティーでの展覧会で、その格好良さに感激した作家です。(作品がです・・・)
清澄の7階の会場は天井が高く広いので、シュテファン・バルケンホールの大きな作品もOKでした。
ドイツで生まれ、現在カールスルーエの造形芸術大学教授を勤めながら制作活動をしているそうです。
太い丸太や厚い木の塊をもとに、木目を生かした荒削りな、それでいて微妙な表情とか体つきなどが彫られているのです。
丸太の下の部分が台座の役目をして、その上に小さな人が立っていたり、レリーフで顔が浮き出た人物画のような作品も絵画のようで、で持ち被くとすごく荒いノミの跡があったりします。
模様などがレリーフとして彫られている背景を後ろにし、まえに彫刻を置き組み合わせたりしていますが、その背景だけでも素敵なんです。
11月17日までですが、ぜひ見に行ってみてください。
もう一つは、以前もNHKで取り上げられ、多くの人たちに名前が知られるようになった石田徹也の小さな展覧会です。飯倉片町(東京・六本木)のNOAビル・CB COLLECTIONで行われています。
今年7月に静岡で大規模回顧展が開かれていたそうですが、私は知らずに見逃してしまいました。
私もNHKで知って、凄い作品だと思い、是非実物を見たいと思っていました。
これは、ご両親が開いたHPです。
また、そこには石田徹也さんの作品集も載っています。
でも、今回、実際の絵を見て、そこから出て来る何らかの空気と細かな描写は写真などからは十分には伝わりません。
CBコレクションは会場が巻貝のようになっていて、一番奥の狭い部分に”体液”という絵がありました。
洗面台の蛇口部分に顔があり両眼から流れている涙がシンクに溜まります。なぜかそこに平たい海老?がいます
絵を見ていると、その世界に引き込まれ離れられなくなって、どんどん奥に入ってしまいます。
涙が流れそうになって、慌てて絵を見る眼をそらしました。
”距離””囚人””堕胎”、そして”無題”ですが、自分のベッドに草の生えかかったお墓があり、下に死んだ人?の手足が覗きます。石田さん本人と思われる男性はそのお墓の前に座っていて、窓の外には電車が走っています。
踏切事故でなくなったそうです。
細部にまで手を抜かず書き込んであり、その細かな部分を見ることでさらに彼の思いが伝わってきます。
幸い、CBコレクションは(雨だったせいと、交通が少し不便なので)人もあまり多くなくて、少し暗めの静かなギャラリーだったので、ゆっくりと何度も作品を見ることが出来ました。
これらの絵を描くために、一時、この世界に住んでいたのかなーとそんなことを思いました。
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