2008/10/25

久しぶりのロンドン・アート 1 The British Museum- Statue Philia

1年ぶりに、Frieze Art Fairを見るためにロンドンへいきました。

10月11日にロンドンへ到着し、日月はギャラリーがお休みなのでThe British Museum大英博物館へ行きました。
常設展示はもう目新しいものは無かったのですが、今回企画展Statue Philia(10月4日から来年1月25日まで)が行われていていました。
この企画は、AntonyGormley,DamienHierst,RonMueck,Noble&Webster,MarcQuinnの6人の作家による5つの立体作品が館内の5箇所で、常設の展示物と同時空間で展示されるものです。
モダンアートと古代のアートが不思議にとけこんで面白い空間が出来ていました。

まず、正面玄関を入ると来た人たちを祝福するように8.5mの羽を広げた天使が迎えます。
これはAntony Gormlyの作品Case for an Angel 1です。
シンプルで、でもとても荘厳で、エジプトやアッシリア、その他大英博物館にある古代の像とも共鳴するものがあるようです。

広い大英博物館の5箇所にあるので、その場所を示す地図を見ながら歩きます。
たいていは、人だかりがしている所がそうです。(ロゼッタストーンを除くと^^)

ロンミュエックは十和田の現代美術館に大きなおばさん像がありますが、金沢の現代美術館でも企画展、ありましたよね。人気ですね。
テーマで分けられたリビング&ダイイング生と死Room24にありました。グレートコートからも見えるので直ぐにわかります。
モワイ像の前でした。
大きな顔を持ったモアイ像の前に眠っている大きな男の人の顔。
下になった頬や口がゆがんで、近づいて見ても皮膚そのまんまでした。

MarcQuinnの作品は、ツタンカーメンを思わせる金色の女性像です。
古代ギリシャ・ローマの部屋にあります。
ケイトモスがモデルで、Sirenという表題はギリシャ神話の”歌声で船乗りを誘い寄せ船を難破させる魅力的な美女セイレン”だそうです。


Noble&Websterは、Tim NobleとSue Websterの二人。
セクシュアリティーやタブー、独自性、自画像という観点で、ダークでウィットにとんだオリジナルな作品を15年間ほど創り続けているそうです。
この作品も気持ちの悪い鳥の残骸のような塊にスポットライトが当たっているのですが、後ろの壁には作者二人の横顔がシルエットで浮かび上がっているというものです。
エジプト彫刻のルーム4の一角に突然現れました。
ちょっと不気味ですが、なかなかユニークで驚きもあり印象的でした。


さて、最後のデミアンハーストですが、それまで常設展示も含めかなり見て廻っていました。
地図に書いてある場所も通った気がするのですが、あった??っていうことになり、再度その展示室へ行って見ました。
すると、ありました~!
Room1はEnlightenment、18世紀ヨーロッパの書物などを入れる天井までとどく大きな棚が連なっているのですが、なんとその棚の数列にびっしりと色とりどりのどくろが並んでいるではありませんか。
おーっ、すごい・・・。
古い由緒ありそうな書棚に全てに異なる色彩を施したデミアンハーストの何十という髑髏が並んでいました。



大英博物館、やるな!って感じでしたね。
古いものと新しいもの、何だかまったく違和感無く、楽しい企画でした。

2008/07/20

Julian Opie 展  水戸現代美術館



今日から水戸現代美術館で、Julian Opie展が始まりったので、さっそく常磐道を走り見て来ました。
http://www.arttowermito.or.jp/art/modules/tinyd0/index.php?id=1

今日は連休の初日で、美術館の周りでは市民のイベントが行われていたり噴水の池の周りでは子供達が水浴びをしてはしゃいだ声が響いたりで、中と外は別世界でしたね。

作品はそんなに多くはなかった(67点)ですが、一目見てオピとわかるような代表作が4室と浮世絵を模した映像作品(?)が2室、あとは入り口に大きな男性の横たわった作品、美術館の外の芝生にも何点かの作品がありました。
オピってこういう作品が代表作なのねっていうところは判るという企画展でしょうか。


私は彼の体の一部分だけを白いキャンバスに黒の太目の線で描いたものと、人物の点のような目と鼻が好きですね。







液晶で表現された人物ものは、静止画かと思わせながら目とかイヤリングとかタバコの煙とか時計の針とかが動くのです。
オピの基本的な線は変わらず、表現するのに使用されるツールがいろいろあって違いが出ているという感じでした。

今回、初めてオピが興味を持っている浮世絵にヒントを得た日本の風景を映像(静止画のようでもありますが)作品が何点か展示されていました。
心が静かになるような穏やかな作品でした。



ちょっと残念だったのは、初めの部屋の入り口に立つと各部屋の一部の作品と一番奥の電光掲示板風の”前進するスザンヌ”が望める配置になっているのですが、部屋の境に監視員の女性がズラーッと座ってしまっていて、せっかくの意図が台無しになっていることでした。
これから10月まで、改善されたらいいなーと思いました。

2008/03/21

久保田珠美・The song of a female deer―NYC



今回、NYCへ行った最大の目的は、久保田珠美さんがNYCで初めて個展をすることになったからでした。


昨年、レントゲンベルケでの”たからもののじょおうさま”という企画展で、彼女は小さいフィギュアー作品を50体くらい出していました。

ギャラリーの方が、この方は絵も描いていらっしゃるんですよといって、彼女の作品集を見せてくださって、その時から彼女の絵が気になってしまいました。


今回は、NYCのチェルシーにある"ATM gallery"と、
ソーホーの”ISE gallery"の二ヶ所での同時開催という個展でした。


ATM galleryはチェルシーの27th streetにあり、写真の左側の小さめなギャラリーです。
こちらは2008年2月29日から3月29日までです。





























ISEギャラリーはSOHOの555 Broadway、プリンス通りとスプリング通りの真ん中辺りにあります。
入り口のベルを鳴らすとドアーが開きます。珠美さんの企画展は入り口からも見ることが出来ますよ。
ドアー右手の大きなFemale deerが印象的です。
ISE Galleryの紹介には、
”久保田は、日常に潜む非日常的な世界を大胆かつ繊細なタッチ、鮮やかな色彩で描く日本在住の作家。
今回のテーマであるThe song of a female deer は、本来雌鹿にはない角に、身を守ったり攻撃したりする武器と同時に弱さの象徴、強くなりたいという願望の意味を込めており、deerに自分自身を投影しています。”と書いてありました。
2008年3月7日から4月19日までやっています。















2008/03/12

NYC-Guggenheim美術館 CAI GUO-QIANG展:蔡國強(ツァイ・グオチャン)

2008年3月2日からNYCへいってきました。

まずは、Guggenheim美術館での企画展のことを書きます。



以前、資生堂ギャラリーでこのブログにも書いたCAI GUO-QIANG蔡國強の大規模個展がちょうど開かれていました。



グッゲンハイムNYCは白い渦巻き状の建物で(現在改装中で外観は見れません)、
美術館に入るとロビーが吹き抜けの渦巻きの内側になっているのですが、そこに合計9台の白い乗用車が爆発しながら吹き上がっているように宙を舞っている作品があり、その迫力に感動してしまいました。







写真禁止のはずですが、皆、携帯やカメラでぱちぱち撮っていました。
私も何とか撮った写真を載せますね。

でも、正式サイトには影像でこの爆発風の電飾が光る所が見えますよ。



また、ロビーには映像作品で、タイムズスクエアーを爆発している車が走っている(合成)ものが流れ、ちょっとびっくりしました。

らせん状になった展示室には、爆発によって描かれた大きな絵画やいろいろな場所で行われた火薬を使ったインスタレーションのフィルムもかなり沢山展示してあります。

その他には、100匹くらいの実物大の狼が次第に流れるように飛ぶように繋がり、最後にガラスの板のところでぶつかり落ちて崩れている作品とか、


弓矢が無数に刺さった虎たち、同じく無数の矢が刺さった船、日本の海岸に埋もれていた木製の廃船の木組みと無数の白い陶器の割れた皿との作品、豚の皮(?)の膨れた風船のようなものが数十匹、空を飛んでいるものとか、木と金属で骨組みした彫刻の土台、多くは中国の農民とか役人とかいろいろな歴史的な彫像ですが、それに粘土を一部貼り付けたもの、ほとんど形になっているものなどが螺旋に通路に沿って何十体も置いてあったり、本当にいろんな作品が見られました。


5月28日までやっているということですので、連休に行っても見られますよ。

なかなか、あれだけの数の作品を一挙に見られることはないので、ちょうどよい機会でした。

2008/02/16

資生堂ギャラリー 槙原泰介、ギャラリー小柳 花代展

汐留イタリアの展示を見るつもりで出かけたのですが、電気設備点検とかで休みだったため、思いついて銀座の資生堂ギャラリーとギャラリー小柳へ行きました。

資生堂ギャラリーでは、shiseidou art egg を受賞した新人作家の展示が行われていました。
3人受賞されている中で今回は槙原泰介という作家さんでした。





ギャラリーはとっても天井が高いのですが、それを生かして背の高~~いシンバルが205枚立てられているという作品でした。
このギャラリーの作りの特長を生かした、とてもきれいな作品でした。


ギャラリー小柳は、花代というドイツ在住の作家さんの写真作品でした。
私は全く知らなかったのですが、花代さんは芸者さんだった時からバンドやパフォーマンスやテレビでコメディをやったりしていて、芸者さんを辞めてからドイツへ渡ったのでした。
HanayoさんのHPはとてもユニークですよ。

今回の作品は、全体にコントラストの低い明るくボォッとした写真で、ざらついた感じの空や、霞の中のような風景、人などの作品でした。映像も一点ありました。
綺麗な写真とか、人に気にいられるとかは全く問題にしていなくて、ピントとかどうでもよくてブレていることで作家の現わしたいものが出てくることもあるし、いかに自分の感覚をそのまま現わすかだけを求めているんだなーと私は感じました。
自分の中に感じているものを表現するというアートの原点に立てば、私がこの写真を部屋におきたいかどうかは別にして、こういう写真もいいかもしれないなと思いました。

徹底した自己表現は応援します。
写真集がよく売れていましたね。女性に人気の作家さんのようです。

2008/02/04

Pipilotti Rist―原美術館

もう、あと1週間で終わってしまうのですが、原美術館でのピピロッティ・リスト”KARAKARA"、とっても楽しかったですよ。
Pipilottiはスイスの女性アーティストで、1962年生まれ。
97年のヴェニスビエンナーレで話題になったそうで、昨年のNYCのアートフェア、The Armory Showのカタログ・パンフを彼女の新作ビデオが飾り、MOMAにも展示されたそうです。
東京でも東京都現代美術館へ出品したりや資生堂ギャラリーで個展を開いていました。
と、これらは見てきてから知ったことで、実は名前さえも知らなかったんですね。(^^;ゞ
どんな作家かなんて全く知らずに、まっさらの状態でいきました。

入り口を入るとすぐの部屋が、床に映像を映しその中に浸ってもよし、上から床を見ても楽しめる作品。
宇宙感を楽しめました。
上から、下にいる人が映像の中でいろんな反応をするのを見ているのも楽しかったです。

階段の脇に行くと、かかりの人が”床を見てください!”って、それぞれの人に注意を喚起。
原美術館はフローリングになっているのですが、床の木を削って開けた3-4cmの穴からピピロッティーが裸で助けを求めています。

奥の部屋には、透明プラスティックのパッケージや切れ端が木の枝に下がっていて、通った光が向こうの壁に形を映しだします。それぞれの容器の影が微妙な陰影を伴った光として映り、そこに人の影も映りこんでその時々で変化するのです。
不思議な光の森でしたね。

同じ部屋には、真っ赤なソファーが2台、スタンドとテレビ用リモコンがあります。
でも、それらが総て3倍くらいの大きさです。
ソファーに座ってピピロッティのビデオを見ることが出来て、好きなビデオをおっきなリモコンで選ぶことが出来ます。
ソファーに座るのには、靴を脱いでよじ登らなくてはなりません。
スタンドもすっごく大きかったです。
ビデオは12種類くらいあって、全部見るには時間が足りませんでした。
中には、スイスの雪山の画面の中に小さく出産場面が重なって映し出されたりして、自分なりに選んでみるのも正解かもですよ。私はどうも出産現場で赤ちゃんが出てくるのを見ると気が遠くなってしまうので、それはパスしました。
その奥のには、椅子に座ると映像が膝に映るのを楽しむもので、あまり混んでいると体験できないかも・・・。

1階は終わり階段を上がると、木の枝に銅色の丸いたまと白い勾玉のような形のスクリーンが下がっていて、玉から出る画像がスクリーンへ映り、その周りからはみ出た映像がコロナのように向こうの白壁に映し出されています。きれいですが、その映像は女性の部分の超拡大映像なのです。


2階のすぐの部屋には、作品を送ってきた海外クロネコヤマトの箱。
中にはミニチュアの部屋があり、ベッドや椅子、本や壁には絵がかかっていたり、ギターが置いてあったり。
部屋の1/3の部分は宇宙で表面をクレーターに覆われた大きな月があります。
部屋の真ん中に小さな映写機のレンズがあって、そこからの映像は回転するガラスに反射し箱の内面を回転しながら子供とか羊とかとてものんびりとした映像が写し出されるのです。
部屋に投影されるのも面白いですが、月面に写し出された子供や草原にいる羊は、なんとも素敵でした。
つい、その四角い世界に引き込まれていました。

奥の2部屋は、それぞれ映像作品で、2つの映像が一つの作品を形成しています。。

一つは、パンフレットにもなっているもので、スーパーに行ったピピロッティが自分を写したものに、森の中を歩く裸の男女の映像が真ん中あたりに重なって写し出されるものでした。
自分を中心としたアングルと、そこから見るスーパーが新鮮でした
そして、顔の真ん中あたりに出てくる裸の男女はピピロッティの頭の中に浮かんだもののようにも見えましたね。

奥の部屋はEver is Over Allという有名なビデオで、2画面構成になっています。きれいな花のような植物の画像と街を歩く女性がその花の穂で車の窓ガラスを叩き壊してゆく画像がやわらかい暴力性を出していて、”女”らしさを感じました。

さて、最後に、もう少しで見落としてしまうところの作品があったのです。
それはトイレにありました。
障害者用の男女共用トイレに入って、用を足すと・・・・。
どうしようかな~?書こうか書くまいか。

やっぱり、どうなるのかは行った人だけの秘密にしてきますね。
そして、私が作品に参加したかどうかも。

ピピロッティのサイトもあります。