2007/06/02

マレーネ・デュマス


東京都現代美術館で、南ア出身でオランダ在住の女性画家、マレーネ・デュマス展を開催しています。
http://www.mot-art-museum.jp/kikaku/
彼女は、描いた全ての人物を一度写真にしてから、それを描いています。
人物を直接描くことによる、複雑な感情を取り除くためだそうです。
肖像画のような人物像は、不思議なボケ具合で滲んだような輪郭とその人物を物語るかのような色使いで描かれていて、眼差しに強さを感じました。
また、日本の若者の写真をモデルにしたヤングボーイの数枚のシリーズは女性的な若者を墨絵のようなタッチで描いたもので、滲みと淡い色調と未完成の仕上がりが不安定さを感じさせました。
彼女のドキュメンタリーフィルムも上映されていましたが、絵から受ける不安定さはあまりなく、個性的な強い女性という感じでしたね。
展示の終わりの方に、彼女の娘さんを巻き込んだ作品が展示してありましたが、一歩引いて冷めたように描くというそれまでの作品とは、ちょっと違う感じがありました。
強烈なものが和らいだ??
アーティストと母親、どっちを取っていくのか、または両方取るのか・・・難しいですね。


1 件のコメント:

オオクボ トシユキ さんのコメント...

ヂュマス展、観客も少なめだったこと 作品の展示に余裕があったこと 額無しだったこと など 見やすい企画展でしたね。
人物の表情に鋭さや迷いのようなものが混在している感じがして見る側をやや不安にするような気がしました。常設展に新しく収蔵された奈良よしともの作品が柔らかく自然に感じられたのは、日本の作家に毒気が少ないからでしょうか。