池田満寿夫展とサイレント・ダイアローグ(NTT/ICC)
今日から新宿のオペラシティーで池田満寿夫・知られざる全貌展が始まりました。
池田満寿夫の名前は知っていますが、どのような作品を作っているか詳しいことは何も判らなかったので早速行ってみました。
11時オープンと同時に美術館に入ると、いままでの企画展とは違い年配の人が殆どでした。
作者と同じくらいの年代の方、それも男性が多かったです。
作品はまず、陶芸作品から始まりました。
粗く削ったへら跡の残る四角い壺状の物が多く、大振りの枝などを投げ入れの形で生けるために使ったら、きっと良い感じになるかなーと思いました。
大胆で伸びやかな、色合いのよく出た作品もありました。
また、陶芸と同じ部屋には、内掛けを貼り付けたコラージュが3点展示してありました。
大きめな作品で斬新に見えるのですが、迫力というよりはペラッとした感じがしたのは打掛の素材がそんなに良いものではなかったからでしょうか??
次のコーナーは油絵でしたが、ピカソ風あり、カディンスキー風あり、オカモトタロー風ありで、池田満寿夫さんという方は少なくとも油絵に関しては自分のない人なんだなーと感じざるをえませんでした。
やはり、メインは版画でしょうか?
落書き調の自由な作風の版画が沢山並んでいました。
版画といってもいろいろな作り方があるらしく、これが版画?と思うような面白い作品も見られました。
世界中で多くの賞を獲得されているんですね。
作品に書かれた事柄に関して長い物語があったり、朝食の版画ではテーブルの上の食べ物が文字であったり、ポルノ雑誌のモデルをモチーフにしたり、ウォーホール風のものがあったりです。
その後晩年に近づいて、般若心経を題材として使った陶芸や書がありました。
小鉢のような器やペンダントヘッドに般若心経の一字を掘り込んだものが沢山並べてあり、ペンダントヘッドは思ったように需要がなく売れなかったそうで一枚の平面に一字一字並べお経の一部を作品にしていました。
アートというよりは商品という感じがして、もしかしたら自分の創りたいものを創るだけでなく、商業的にも物を作らないといけない事情があったのかなーとすこし淋しい感じがしました。
その部屋には陶芸作品の仏塔もあり、まるで自分が亡くなることを予感していたかのようです。
自由奔放みたいな印象を持っていましたが、そんなに強い方ではなかったのでしょうね。
小説を書いて芥川賞を取ったり、映画を作製したりされていたようですが、私には若くして有名になってしまって周りから持ち上げられ、作品に関しては周りから多才を要求された、器用だけど本当の自分をみつめる事が出来なかった人、そんな風に感じられましたが・・・。
さて、オペラシテーの同じ建物に、NTTがやっているICC(インターコミュニケーション・センター)というのをご存知ですか?
私も今回はじめて行って見ました。
オペラシティーの美術館の半券を持っていると割引になるんです。
サイレント・ダイアローグは生態系(植物)との関係性。植物のエネルギーを肌で感じたり、椎茸の声を聞けたり、そんなに期待していなかったけれど、科学的な面とデザイン・アート的な部分もあって、未来を感じさせてくれました。
大人でも結構楽しめたのでお奨めです!
また、無料のオープンスペースには参加型のゲーム感覚のものが多くありました。
ビジュアルも面白いものがおおく、なかでもジャグラーはなかなか興味深かったですよ。どう面白かったかは見てのお楽しみです。少し時間に余裕を持って30分位はそこで使ってくださいね。
その他にも、以前東京都写真美術館で行われたビジュアル大賞展に出品されていた作品もありました。
コーンに触れると、いろいろな影が出てきます。
楽しくて、すべてのコーンに触らずにはいられませんでした。
世間には、楽しい科学を熱心に研究されている方がいるものですね。
ここは、入場券の半券を持っていると会期中、もう一回は入れるそうです。
半日くらいは遊べそうです。
1 件のコメント:
池田満寿夫、久々に名前聴いて 興味感じて初日に見れてよかった 売れるようになって 評価されて 登りつめて やり残した陶芸に没頭し 犬の映像撮ったり 等身大に戻る 心の平安に向かった 親友渋沢の喪失感を克服することもあったかもしれないなと まあセンチメンタルな弱い面はある それはアラーキーもそうだけど 親友だった澁澤龍彦が1987年に亡くなり その喪失感も影を落としているような気がする 佐藤陽子と出会ったことで 創造という長い航海を終えて停泊して もう出航しないと決めた 今生きていれば また新たな創造をしていただろうとも感じた そんな展示でしたね ICCは文化庁メディアアートの新しい映像や技術などの作品や 海外のユニークな装置で見せる作品もあり とても楽しい展示でしたね 新宿に面白スポットということでしょうか オススメです
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