2008/02/16

資生堂ギャラリー 槙原泰介、ギャラリー小柳 花代展

汐留イタリアの展示を見るつもりで出かけたのですが、電気設備点検とかで休みだったため、思いついて銀座の資生堂ギャラリーとギャラリー小柳へ行きました。

資生堂ギャラリーでは、shiseidou art egg を受賞した新人作家の展示が行われていました。
3人受賞されている中で今回は槙原泰介という作家さんでした。





ギャラリーはとっても天井が高いのですが、それを生かして背の高~~いシンバルが205枚立てられているという作品でした。
このギャラリーの作りの特長を生かした、とてもきれいな作品でした。


ギャラリー小柳は、花代というドイツ在住の作家さんの写真作品でした。
私は全く知らなかったのですが、花代さんは芸者さんだった時からバンドやパフォーマンスやテレビでコメディをやったりしていて、芸者さんを辞めてからドイツへ渡ったのでした。
HanayoさんのHPはとてもユニークですよ。

今回の作品は、全体にコントラストの低い明るくボォッとした写真で、ざらついた感じの空や、霞の中のような風景、人などの作品でした。映像も一点ありました。
綺麗な写真とか、人に気にいられるとかは全く問題にしていなくて、ピントとかどうでもよくてブレていることで作家の現わしたいものが出てくることもあるし、いかに自分の感覚をそのまま現わすかだけを求めているんだなーと私は感じました。
自分の中に感じているものを表現するというアートの原点に立てば、私がこの写真を部屋におきたいかどうかは別にして、こういう写真もいいかもしれないなと思いました。

徹底した自己表現は応援します。
写真集がよく売れていましたね。女性に人気の作家さんのようです。

2008/02/04

Pipilotti Rist―原美術館

もう、あと1週間で終わってしまうのですが、原美術館でのピピロッティ・リスト”KARAKARA"、とっても楽しかったですよ。
Pipilottiはスイスの女性アーティストで、1962年生まれ。
97年のヴェニスビエンナーレで話題になったそうで、昨年のNYCのアートフェア、The Armory Showのカタログ・パンフを彼女の新作ビデオが飾り、MOMAにも展示されたそうです。
東京でも東京都現代美術館へ出品したりや資生堂ギャラリーで個展を開いていました。
と、これらは見てきてから知ったことで、実は名前さえも知らなかったんですね。(^^;ゞ
どんな作家かなんて全く知らずに、まっさらの状態でいきました。

入り口を入るとすぐの部屋が、床に映像を映しその中に浸ってもよし、上から床を見ても楽しめる作品。
宇宙感を楽しめました。
上から、下にいる人が映像の中でいろんな反応をするのを見ているのも楽しかったです。

階段の脇に行くと、かかりの人が”床を見てください!”って、それぞれの人に注意を喚起。
原美術館はフローリングになっているのですが、床の木を削って開けた3-4cmの穴からピピロッティーが裸で助けを求めています。

奥の部屋には、透明プラスティックのパッケージや切れ端が木の枝に下がっていて、通った光が向こうの壁に形を映しだします。それぞれの容器の影が微妙な陰影を伴った光として映り、そこに人の影も映りこんでその時々で変化するのです。
不思議な光の森でしたね。

同じ部屋には、真っ赤なソファーが2台、スタンドとテレビ用リモコンがあります。
でも、それらが総て3倍くらいの大きさです。
ソファーに座ってピピロッティのビデオを見ることが出来て、好きなビデオをおっきなリモコンで選ぶことが出来ます。
ソファーに座るのには、靴を脱いでよじ登らなくてはなりません。
スタンドもすっごく大きかったです。
ビデオは12種類くらいあって、全部見るには時間が足りませんでした。
中には、スイスの雪山の画面の中に小さく出産場面が重なって映し出されたりして、自分なりに選んでみるのも正解かもですよ。私はどうも出産現場で赤ちゃんが出てくるのを見ると気が遠くなってしまうので、それはパスしました。
その奥のには、椅子に座ると映像が膝に映るのを楽しむもので、あまり混んでいると体験できないかも・・・。

1階は終わり階段を上がると、木の枝に銅色の丸いたまと白い勾玉のような形のスクリーンが下がっていて、玉から出る画像がスクリーンへ映り、その周りからはみ出た映像がコロナのように向こうの白壁に映し出されています。きれいですが、その映像は女性の部分の超拡大映像なのです。


2階のすぐの部屋には、作品を送ってきた海外クロネコヤマトの箱。
中にはミニチュアの部屋があり、ベッドや椅子、本や壁には絵がかかっていたり、ギターが置いてあったり。
部屋の1/3の部分は宇宙で表面をクレーターに覆われた大きな月があります。
部屋の真ん中に小さな映写機のレンズがあって、そこからの映像は回転するガラスに反射し箱の内面を回転しながら子供とか羊とかとてものんびりとした映像が写し出されるのです。
部屋に投影されるのも面白いですが、月面に写し出された子供や草原にいる羊は、なんとも素敵でした。
つい、その四角い世界に引き込まれていました。

奥の2部屋は、それぞれ映像作品で、2つの映像が一つの作品を形成しています。。

一つは、パンフレットにもなっているもので、スーパーに行ったピピロッティが自分を写したものに、森の中を歩く裸の男女の映像が真ん中あたりに重なって写し出されるものでした。
自分を中心としたアングルと、そこから見るスーパーが新鮮でした
そして、顔の真ん中あたりに出てくる裸の男女はピピロッティの頭の中に浮かんだもののようにも見えましたね。

奥の部屋はEver is Over Allという有名なビデオで、2画面構成になっています。きれいな花のような植物の画像と街を歩く女性がその花の穂で車の窓ガラスを叩き壊してゆく画像がやわらかい暴力性を出していて、”女”らしさを感じました。

さて、最後に、もう少しで見落としてしまうところの作品があったのです。
それはトイレにありました。
障害者用の男女共用トイレに入って、用を足すと・・・・。
どうしようかな~?書こうか書くまいか。

やっぱり、どうなるのかは行った人だけの秘密にしてきますね。
そして、私が作品に参加したかどうかも。

ピピロッティのサイトもあります