2008/01/28

Vyner Street・ヴァイナーストリート、ロンドンの新しいギャラリー街①

遅くなりましたがヴァイナーストリートについての記事を書こうと思います。
今頃、何を??という感じですが、せっかくなので・・・。
ギャラリー数も写真も多いので3回くらいに分けて書きます。
まずは第1回として、ウィルキンソンギャラリーです。

行われていた企画等は、もうすでに過去の向こうですけれど・・・ゴメンナサイm(__)m

ロンドンにはホワイトキューブを初め、リッソンやサーペンタインギャラリー、ホワイトチャペル・・・。
大きなギャラリーが沢山ありますよね。
2007年秋、ロンドンへ行くことになり、今までとは違うギャラリーも見たいとということになり、イーストエンド、地下鉄の路線図の東の端にやっと載っている駅Bethnal Green(べスナルグリーン)で下車し、少し歩いた所にあるヴァイナーストリートを訪ねてみました。

べスナルグリーン駅の地下鉄の出口を出ると、電車の高架が通り沿いにあり、自動車の小さな修理工場や狭い中庭を持つ古い保育園などがあって、少し寂れた下町という雰囲気です。
一般の観光では殆ど訪ねることのない町並みですね。



ナーサリー(保育園)の角を右に曲がった通りがVynerStreetです。
石畳のそんなに広くない道が運河のほうへと続いていますが、両側はNYCのチェルシーのようなタクシー工場が並んでいて、道の両側にはロンドンタクシーが何台も駐車してありました。
こんな所にギャラリーがあるんだろうか?と心配になってしまいます。




工場みたいな、倉庫みたいな建物が立ち並ぶ通りを進むと、一番奥のほうにウィルキンソンの大きなギャラリーが見えてきました。




海外へ行くと、一日に多くのものを見ようとするので朝が早めなのです。でも、ギャラリーはオープン時間が遅く、この日も殆どが12時オープンで閉まっていたので、まずはFriezeにも出展していたWilkinsonGalleryへ。

外観が黒い城壁のようにそそり立ち、右手の大きな黒いドアーがエントランスです。
中はとても天井が高く、2階へ行く階段部分もとても素敵でした。


1Fでは、Batchelorの作品が展示してあります。


これはFriezeにも同時展示されていましたね。
日用雑貨をカラー別にスタンドの周囲に刺しているのですが、色と形がとてもきれいで面白いものでした。
サングラスを沢山組み合わせたボール状の作品も、サングラスが花弁のようにも見え可愛かったですね。
両方とも、とても丁寧に作られていてよかったです。



ちょうど中2階部分のガラス張りの小さな展示室には金のスパンコールの大きいようなもので出来た犬?ろば?のおどけた頭がぶる下がっていました。
外のトラック置き場と空を背景にして、金色のロバの頭がくるくると回転するのが不思議でした。








その左の部屋では、ShimabukuのFish&Chipsという映像でした。
はじめ、少し濁った水の中で魚が泳いでいるだけかと思ったのですが、よく見るとジャガイモも浮いているんです。魚とジャガイモ=Fish&Chips でした。

さて次は何処へ入ろうかと外に出ると、人が向かいの倉庫のほうへ行くのが見えました。
何があるんだろう?

続く

2008/01/26

池田満寿夫展とサイレント・ダイアローグ(NTT/ICC)

今日から新宿のオペラシティーで池田満寿夫・知られざる全貌展が始まりました。
池田満寿夫の名前は知っていますが、どのような作品を作っているか詳しいことは何も判らなかったので早速行ってみました。
11時オープンと同時に美術館に入ると、いままでの企画展とは違い年配の人が殆どでした。
作者と同じくらいの年代の方、それも男性が多かったです。



作品はまず、陶芸作品から始まりました。
粗く削ったへら跡の残る四角い壺状の物が多く、大振りの枝などを投げ入れの形で生けるために使ったら、きっと良い感じになるかなーと思いました。
大胆で伸びやかな、色合いのよく出た作品もありました。
また、陶芸と同じ部屋には、内掛けを貼り付けたコラージュが3点展示してありました。
大きめな作品で斬新に見えるのですが、迫力というよりはペラッとした感じがしたのは打掛の素材がそんなに良いものではなかったからでしょうか??

次のコーナーは油絵でしたが、ピカソ風あり、カディンスキー風あり、オカモトタロー風ありで、池田満寿夫さんという方は少なくとも油絵に関しては自分のない人なんだなーと感じざるをえませんでした。

やはり、メインは版画でしょうか?

落書き調の自由な作風の版画が沢山並んでいました。
版画といってもいろいろな作り方があるらしく、これが版画?と思うような面白い作品も見られました。
世界中で多くの賞を獲得されているんですね。
作品に書かれた事柄に関して長い物語があったり、朝食の版画ではテーブルの上の食べ物が文字であったり、ポルノ雑誌のモデルをモチーフにしたり、ウォーホール風のものがあったりです。

その後晩年に近づいて、般若心経を題材として使った陶芸や書がありました。
小鉢のような器やペンダントヘッドに般若心経の一字を掘り込んだものが沢山並べてあり、ペンダントヘッドは思ったように需要がなく売れなかったそうで一枚の平面に一字一字並べお経の一部を作品にしていました。

アートというよりは商品という感じがして、もしかしたら自分の創りたいものを創るだけでなく、商業的にも物を作らないといけない事情があったのかなーとすこし淋しい感じがしました。
その部屋には陶芸作品の仏塔もあり、まるで自分が亡くなることを予感していたかのようです。
自由奔放みたいな印象を持っていましたが、そんなに強い方ではなかったのでしょうね。

小説を書いて芥川賞を取ったり、映画を作製したりされていたようですが、私には若くして有名になってしまって周りから持ち上げられ、作品に関しては周りから多才を要求された、器用だけど本当の自分をみつめる事が出来なかった人、そんな風に感じられましたが・・・。

さて、オペラシテーの同じ建物に、NTTがやっているICC(インターコミュニケーション・センター)というのをご存知ですか?
私も今回はじめて行って見ました。
オペラシティーの美術館の半券を持っていると割引になるんです。


サイレント・ダイアローグは生態系(植物)との関係性。植物のエネルギーを肌で感じたり、椎茸の声を聞けたり、そんなに期待していなかったけれど、科学的な面とデザイン・アート的な部分もあって、未来を感じさせてくれました。
大人でも結構楽しめたのでお奨めです!


また、無料のオープンスペースには参加型のゲーム感覚のものが多くありました。
ビジュアルも面白いものがおおく、なかでもジャグラーはなかなか興味深かったですよ。どう面白かったかは見てのお楽しみです。少し時間に余裕を持って30分位はそこで使ってくださいね。






その他にも、以前東京都写真美術館で行われたビジュアル大賞展に出品されていた作品もありました。
コーンに触れると、いろいろな影が出てきます。
楽しくて、すべてのコーンに触らずにはいられませんでした。

世間には、楽しい科学を熱心に研究されている方がいるものですね。
ここは、入場券の半券を持っていると会期中、もう一回は入れるそうです。
半日くらいは遊べそうです。

2008/01/20

田中功起・・スティル|アライブ & HOSEライブ

東京都写真美術館で開かれているスティル|アライブに、田中功起さんの作品を見に出かけました。

先日の@アグネスに出展していたギャラリー目黒/青山で、19日にはライブもやると聴いたからです。
田中さんの気にいっている”HOSE"というバンドのライブを作品展示会場で行うという企画です。

上野の美術館では連続したトークイベントを企画し、バンクアートでは作品の舟を運河に浮かべたり、今回は会場でライブとか、作品の展示だけではなく+αをするという遊び心がまたいいんですね。
アーティストの田中さんも、オーナーの青山さんも、そういう会場にあって椅子を運んだりお客さんの整理をしたり写真を撮ったり、アートをいろんな苦労も含めて楽しんでいるようで嬉しくなります。




今回の作品は、場所が恵比寿ということで、ビール工場での映像作品2点を床に置いたテレビで2台に写し出し、会場全体をビール瓶によるボーリング場にしてしまいました。
いつものように廃材?と思える素材を使ってボーリングのレーンが作られ、安っぽいシーリングライトに照らされたビール瓶が10本立っています。
3レーンあるんです。

ボーリングのボールもビニールテープ張ったヘルメットだったりスチロールのだったりして、田中功起ワールドが出来上がっています。




ライブも良かったですよ(^-^)。 5人編成。ベースとギター、ラッパにトロンボーン、そしてバウロンという太鼓(^^;ゞで構成されています。
ビールケースにすわり、ビールケースに譜面を置いて演奏です。
前置きもなく、ミュージシャンの紹介もなく、音合わせかなーと思っているうちなんとなく曲の演奏が始まっていました。


演奏はとってもゆったりとしたテンポと中途半端にも思える音程のたるい曲で、そのたるさと外れた(外した)音が不思議に居心地いいもので、ビールケースに座りながらボァーッとした時が過ぎました。

田中さんも途中で歌(というか台詞?つぶやき?)にちょっと参加しました。

多くの人が集まって、1時間弱の素敵なライブでしたよ。

ビール工場の、ビール瓶が次々流れてゆく不思議な映像を見ながら不思議な音楽を聴いて、やっぱり田中さんの感覚は好きだなと思ったりしました。

ビデオバーにある映像で音楽を少し聴けます。