時光―蔡國強(ツァイ・グオチャン) 資生堂ギャラリー
今回、初めて資生堂ギャラリーへ行ってみました。
銀座の資生堂パーラーの地下にあります。
今まで、パーラーには入ったことがありますが、ギャラリーに入るのは初めてです。
パーラーの横にある階段を下りていきます。
地下を利用した空間なので自然光は入りませんが、天井の高い、程良い大きさのギャラリーで落ち着いた空間となっています。
今回は中国福建省生まれのアーティスト蔡國強の展覧会『時光』です。
『作品紹介』
『作者紹介』
『展覧会概要』
建物横の階段を下りると、途中のスッテプから作品の一部と今回バンカートで作品を作成した時の映像や今までの作品のビデオが映されているのが見え、ヘエー、何だか面白そうだなーと期待感が高まりました。
階段をまわり下りて受付の脇を通り抜けると、目の前に壁一面の大きな作品がワーッと広がります。
ギャラリーの壁面4面に、それぞれ春夏秋冬を現した大きな作品が計4点展示されていました。
白い和紙に茶色の濃淡が焼け焦げて広がっています。
描きたい部分に火薬を置いたり、マスキングをした上に火薬を撒いたりして、それに火をつけ爆発させるそうです。茶色は焦げた跡で、和紙のところどころにこげた穴が開いていました。
薄く墨で蟹とか、からすとか文字で書いてあるのですが、爆発の後ですからそれらははっきりした形ではなく、でもそれがまた抽象画にも見える独特の雰囲気を出しています。火薬の量によるのでしょうか、茶色も濃淡が幾種類もあり、全体としてはまるで墨絵のように柔らかく静かなのですけれど、個々には爆発によって生じた激しいエネルギーを感じさせます。
また、映像のある小部屋から絵の展示してある部屋に向かって、金色の木の葉のような(舟だそうですが)形のものが螺旋を描いて部屋の中心部に降りてきています。
その小さな金の舟は一つ一つを天井から下げていて、でもそれらが大変滑らかなカーブを描いている為、まるで全てが連続しているようでした。
下界に向かって、向こうの世界から降りてきた使者のようにも見え、一つ一つに魂が乗っているようにも思えました。
私は初めて蔡國強さんを知ったわけですが、今回の作品だけでなく置いてある作品集を見て、今までの作品のダイナミックさや発想の多様さなど、(勿論、すでに有名なアーティストではあるのですが)大変興味を持ちました。こういう力を指して、天から授かったというのでしょうね。
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