2007/07/27

横浜BankART・・・1929&StudioNYK

田中功起が横浜バンカートで作品を出していると、青山目黒からメールが入っていたので、先日行ってきました。
BankART1929とBankARTStudioNYKの2箇所でボルタンスキーの企画したLaChaineへの参加です。


1929は旧第一銀行で隣のビルに受付がありました。アートを展示してあるスペースはすべて旧銀行の内部です。天井が高く柱や照明機器がクラシックな重々しさとモダンアートがとても似合っていました。第一銀行のメインのホールと地下でそれぞれ、1点ずつのボルタンスキーの映像作品が展示されていました。3階も展示室です。

StudioNYKは旧日本郵船倉庫で受付側からはみなとみらいや赤レンガ、レインボーブリッジもみえて、外の椅子に座っているだけでも横浜っていいなーと思えるのですね。


ここは広くて、1-4Fまでありました。1階には田中功起が作成した廃材で出来た大きな船があります。現地に入ってイメージを膨らませ、現地で調達した材料で作品を作る。徹底してこだわっています。
7月8日に、この船を前の運河に浮かべたそうです。その時のビデオも上映されていました。
その他1Fにはさわひらきのメルヘンチックなゆったりとした映像作品がありました。

2階は多くが映像作品で、私にとって、気持ちが引き付けられるものはなかったです。
実は、初めに行った時は1,2階しか見なかったんです。2回目に行った時に、3階4階にも作品があることに気付き、トイレに行く所のドアから階段を上がって行きました。

3階の小部屋には野老朝雄(美術)のトコロ柄とよばれる模様(図版)の作品が制作中でした。


さらに、狭い階段をとことこと上がっていったら、4階のかび臭い感じのする暗い倉庫の床一面にものすごい数の花が咲いていたのです。
一箇所だけ開いた倉庫の窓からは外の運河沿いの風力発電のプロペラが見えます。(写真では上手く写っていない・・・)
その開口部から差し込む光だけで浮かび上がった沢山のビニールの花。
暗い中に何本もの白い花が咲く光景は美しいのですが、誰もいない湿った空気が漂う広い倉庫の中でかえって怖い感じがして何だか引き付けられました。
(丸山純子(美術)「Landmark project 2」でNYK3Fにビニール袋を素材に花畑のインスタレーションを展開。)


その他、4階には他に3室に各一点の作品が展示されていました。
それぞれの部屋の形や雰囲気を生かして、とてもこの倉庫と作品がマッチしていて良かったです。(他の3人のアーティストさんの名前がわかりません。ごめんなさい。でも、とっても素敵な作品でした。)
バンカート、これからも定期的に訪れたいですね。





2007/07/25

時光―蔡國強(ツァイ・グオチャン) 資生堂ギャラリー


今回、初めて資生堂ギャラリーへ行ってみました。
銀座の資生堂パーラーの地下にあります。
今まで、パーラーには入ったことがありますが、ギャラリーに入るのは初めてです。
パーラーの横にある階段を下りていきます。
地下を利用した空間なので自然光は入りませんが、天井の高い、程良い大きさのギャラリーで落ち着いた空間となっています。



今回は中国福建省生まれのアーティスト蔡國強の展覧会『時光』です。
『作品紹介』
『作者紹介』
『展覧会概要』
建物横の階段を下りると、途中のスッテプから作品の一部と今回バンカートで作品を作成した時の映像や今までの作品のビデオが映されているのが見え、ヘエー、何だか面白そうだなーと期待感が高まりました。
階段をまわり下りて受付の脇を通り抜けると、目の前に壁一面の大きな作品がワーッと広がります。

ギャラリーの壁面4面に、それぞれ春夏秋冬を現した大きな作品が計4点展示されていました。
白い和紙に茶色の濃淡が焼け焦げて広がっています。
描きたい部分に火薬を置いたり、マスキングをした上に火薬を撒いたりして、それに火をつけ爆発させるそうです。茶色は焦げた跡で、和紙のところどころにこげた穴が開いていました。

薄く墨で蟹とか、からすとか文字で書いてあるのですが、爆発の後ですからそれらははっきりした形ではなく、でもそれがまた抽象画にも見える独特の雰囲気を出しています。火薬の量によるのでしょうか、茶色も濃淡が幾種類もあり、全体としてはまるで墨絵のように柔らかく静かなのですけれど、個々には爆発によって生じた激しいエネルギーを感じさせます。

また、映像のある小部屋から絵の展示してある部屋に向かって、金色の木の葉のような(舟だそうですが)形のものが螺旋を描いて部屋の中心部に降りてきています。
その小さな金の舟は一つ一つを天井から下げていて、でもそれらが大変滑らかなカーブを描いている為、まるで全てが連続しているようでした。
下界に向かって、向こうの世界から降りてきた使者のようにも見え、一つ一つに魂が乗っているようにも思えました。
私は初めて蔡國強さんを知ったわけですが、今回の作品だけでなく置いてある作品集を見て、今までの作品のダイナミックさや発想の多様さなど、(勿論、すでに有名なアーティストではあるのですが)大変興味を持ちました。こういう力を指して、天から授かったというのでしょうね。

2007/07/22

アンリ・カルティエ=ブレッソン展:東京国立近代美術館

「決定的瞬間The Decisive Moment」をとらえた写真家として知られるフランスの写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン展に行きました。1930年代から世界中を訪ね、その時代の大きな動きの中にいる人たちを撮っています。


写真の構図のうつくしさ、意図的に作成したかのような人物や動物の配置、その場面に実際に参加しているように空気を感じ、声が伝わってくるような写真が多くありました。


キャパと同じように写真界では超大物ということなので、今日も多くの人が近代美術館に来ていました。昨今の写真ブームもあるのか、中年以降の方も多かったですね。

2007/07/21

7月の清澄ギャラリーコンプレックス、EvanPenny、泉太郎、JustinSamson

清澄のギャラリーコンプレックス6階のKoyamaTomio /Evan Penny(7月28日まで)は面白かったです。樹脂で作られた作品で、皮膚のしみから髪の毛の生え方までまるで本物のような質感で、強烈な個性の人物または後姿が壁に平たくなって飾られています。樹脂を使った人の皮膚そのものという作品は今までも何人かの作家のものを見ましたが、エバン・ペニーのものは、そのデフォルメの仕方や個性のある顔、大きさなどでかなりインパクトがあります。ぜひ、お勧めです



hiromiyoshiiでは、
メインがJustinSamsonというアーティストの作品で、壁全体を含めてアーティストの世界になっていて、ヒロミヨシイギャラリーが好きそうな独特の雰囲気となっていました。この作家は、ケントヘンリクセンと同じJohnConnellyPresente(NYC)に所属するアーティストらしいです。

小部屋には松原壮志郎(山本さんのお友達)の作品でしたが、今までと作風が変わって綺麗な色使いのパターン様の絵等が展示されていました。このほうが売りやすい感じなのかな?

hiromiyoshiiギャラリーが今回は1階の倉庫部分を使って、泉太郎の作品展も行っていると聞きエレベーターを1階で降り、入り口方向とは反対に回りました。
エレベーターを降り、横のパイプ階段を上がって以前ヘンリクセンの絵を見せてもらった部屋のドアを開けると、目の前にテレビと水の入った瓶がおいてありました。


よく見ると、映像では、人が端から歩いてきて途中で空中を泳ぐような動作をします。それを正面から見ていると上手い具合に、瓶の水の中だけ泳いでいるように見えるのです。思わず笑ってしまいました。
さらに左手の倉庫入り口のようなドアーを入るとそこにも4-5点の映像があり、それも紙の人形と映像の組み合わせとか、チンパンジーのねじ巻きおもちゃが絵を描くとか、その発想がユニークでした。面白がって結構じっくり見ていてドアーを出たら、奥の椅子に座っている黄色いTシャツのお兄さんが声を掛けてくれました。受付台の奥の映像について、”笑いの映像ってありますよね。でもあんまり笑えなかったりして・・・。だから、どうって事無い物にも笑えると思って撮ってみたんですよ”と。
アーティストの泉太郎さん本人でした。
その映像は、カメラを持った泉さんが、どおってことない道に落ちているものや手すりや、街灯などを映しながら可笑しくて笑ってしまっている声が入っているものです。
でも、不思議なことに、それを見ていると見慣れたモノ達がなんだか変なものにも見えて可笑しいんですね。
固定観念で普通だと思っているもの、でも見方を変えるととても奇妙だったりして・・・。

泉さんは、先日水戸でやった夏への扉でも一部屋を使い映像を出していました。
梯子を上った上に映像展示があり、一万円札の福沢諭吉が笑ったり泣いたりしたのが記憶に残ってて、他にも色々楽しい仕掛けとユニークな映像で楽しんだことを思い出したのでした。

2007/07/14

横須賀美術館・・・ヤノベケンジと、トらやん・ファイァー

台風がすぐそこに来ているというのに、横須賀美術館まで行ってきました。
そこはこの4月に新しくなった美術館で観音崎にあります。海がすぐ目の前で、晴れていたらとっても気持ちいい場所なんだけど・・・。


オープン記念の企画展"生きる”展が7月16日までなので、そして14日はヤノベケンジの作品である”ジャイアント・トらやん”のトークとファイアーパフォーマンスがあるというので出かけてみたわけです。
11時から整理券を発行するというので休日ではありましたが早めに家を出ました。

悪天候なのに、まあそこそこの人出です。
生きる展は9人のコンテンポラリー作家の作品で構成されています。
感想は、ちょっと大きなテーマ付けすぎじゃあないかな~と。
でも、森美術館で今年の初めにやっていた笑い展で気になった木村太陽の作品が7-8点でていて、結構好きだなーと再確認しました。これからウォッチングしてゆきたいアーティストです。
壁をかじったり、掃除機がお尻についていたり、いがぐり頭が額に沢山詰まっていたり、その他作品全て面白いです。

その他では小林孝亘(タカノブ)がよかったです.



樹木とそこに漏れる光を描いたFOREST(国立國際美術館所有)と川の流の中の石にしゃがんでいる男性を描いたRIVERがいいかな~。透き通ったような感じの絵ですが、なにか気を出しているような不思議な力を感じました。



さて、トらやんファイヤーですが、ヤノベケンジがシリーズとして出しているキャラクターで、写真の黄色いシェルター服を着ている腹話術人形がトらやんです。子供を放射能から守るというテーマで作り出されています。
もともとは、ヤノベのお父さんがやっている腹話術の人形が元だと、今日のトークで話しがありました。


そして、下の写真が巨大トらやんで、見上げるばかりに大きな作品です。写真の右下に人が立っているのが見えるでしょう?
大きさがわかると思います。

ヤノベケンジさんのトークが始まり、作者からのトらやんに関する話の後、巨大トらやんが子供の声に反応して歌を歌ったり動き出したりのパフォーマンスを見せてくれました。

さらにジャイアントトらやんは、やはり放射能に関して警告を出すというものなので、小さな黄色いトらやんにウラン鋼石を近づけ、胸の前についているガイガーカウンターの目盛りが100になるとブー!ブー!と大きな音で警告をだします。

そして、圧巻はみんなの声に反応して、口の部分に仕込まれた火炎放射器から火を噴くというパフォーマンスです。


ヤノベさんの”僕らの上に!”という声に続いて皆で”太陽を!!”と掛け合いで声を張り上げて、何回も続けるとジャイアントトらやんが反応して、口の火炎放射器から火を吹きだしました。
一番前に座っていたので、火炎放射器の熱がかなり感じられ、すごい迫力でした。
ここは美術館の内部なんですよ!
映像を載せました。但し、全部で43秒ですが最後の10秒くらいで火を吹くので、あきらめないで見続けてみてくださいね。

2007/07/08

七夕の六本木アートコンプレックス

六本木ヒルズにアルモドバルの最新作”望郷ーボルベール”を見に行ったついでに、六本木コンプレックスへ立ち寄りました。
Magicalは日本と韓国の2人の若手女性アーティスト作品です。
HyonGyon作品は髪が怨念を出しているようで、私はちょっと・・・。

アイ・リュウモン作品(右)は女性の評価の基本である顔を網タイツで隠したというものらしいのですが、色使いとか、流れる曲線が綺麗な絵で、説明がなく抽象として見るほうが面白いと感じました。


オオタファインアーツは草間弥生の地味めな点々の平面、タロウナスはボゥッとした感じの癖のない平面でした。

ミンミンはお休みで、レントゲンベルケはサトウヨシヒコのギターの調音をするエフェクターを並べたカラフルな作品でした。
一つ一つのエフェクターはWorkとかCoffeとかHealthとかLoveとかで、それに調節つまみが2-3個あります。どんな要素でそれが成り立っているかということです。
その要素についてレベルがまたあるので、作者がそのWordについてどういうレベルに感じているかが伺えて、ちょっと面白かったですね。
色もカラフルで、インテリアとしても飾れそうですよ。といっても、50-98万ですが・・・(^_^;)

2007/07/02

軽井沢 Part2 オノヨーコ

軽井沢といえば、ジョンレノンでしょうか?というより、私的には、オノヨーコかな。
ということで、万平ホテルへ。
玄関前には、ウエディングドレスの二組のカップルが。
日がいいのか、ロビーも招待客の女性や親族で一杯です。

ロビー横のカフェで、皆がたのむというジョンレノンゆかりのロイヤルミルクティーを注文。
ミルクティーにホイップクリームの乗っているもので、結構甘い。
有名な万平ホテルといっても、やっぱり群馬県軽井沢なんですね。値段だけが青山並みでした。

人生最大のイベントである結婚式の、親族集合写真をとっている玄関前を抜けて、ジョンとヨーコが散歩したハッピーバレーという小道へ(お決まりのルートらしい・・・)、そしてオノヨーコ所有の別荘へ。
旧軽の一等地ですね。ヨーコの生れの良さが判ります。財閥一族のお嬢さんだったのですね。
実生活に追われないからこそ、自分の感性を主張し続けられたのかもしれません。

格好いいです。
私の今、好きな女性です。