2007/05/19

澁澤龍彦 幻想美術館

埼玉県立近代美術館で明日まで、澁澤龍彦幻想美術館を開催しているというので、上野から高崎線に乗って北浦和まで行ってきました。

私自身は澁澤龍彦なんて、ほんの数年前まで殆ど聞いたことすらない状態で、正直なところ知っておくことも大切と思ったわけです。
澁澤龍彦はマルキド・サドの翻訳・紹介者として、そして60年代の三島由紀夫、土方巽、唐十郎、その他文学・演劇・美術界を巻き込んだ流れの中心にいた人です。
また、国内・海外のアート、それも自分の好みと美意識にかなったものだけを紹介し、それまでの美術の見方を大きく変えた批評家だったそうです。
つまりは、色々な性的傾向や心の影の部分を表現した作品を日本に紹介し本を書き、またそういう表現をするアーティスト達を認めて応援していったということでしょうか?

展示は時代順に7つのパートの分かれていて、少年期からサドをへて、60年代、マニエリスム、シュールレアリズム、日本のエロス、その後旅行時代から晩年まで、その時代に関連する作家の作品で構成されていました。
ベルメール、ダリ、スワーンベリ、デルボー、武井武雄、中村宏、横尾忠則、池田満寿夫、金子国義、島谷晃、四谷シモン、など等・・・・が面白いと思った作家でしたが、あまりに沢山あって忘れてしまいました。

ポール・デルヴォー・・・結構大きな作品で、不思議な絵でした。












亡くなった後に、四谷シモンが作成した-天使-は吸い込まれそうに綺麗でしたね。


公的な美術館のせいでしょうか、展示してある作品はかなり選んでいて穏やかだと思いました。
澁澤龍彦の世界はもっと激しい、またはドロドロした部分があるはずですよね。http://homepage2.nifty.com/weird~/doraconia.htm

50歳頃から色々な所へ旅行をするようになって、植物や自然の物に興味を持っていったということで、その時代の展示は植物画とか日本画だったりして・・・第7章は”ひそやかな晩年”と名つけられていました。
58歳、咽頭癌で亡くなられたそうです。
学生時代から個性的な人々の中で個性的にエネルギッシュに活動を続け、いろんな経験を経てきた渋澤さんに、晩年の心境、聞いてみたいなーと思いました。

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